株式会社明治 埼玉工場を見学しました/会員研修の参加申込み受付開始

 

こんにちは。ウエスト症候群患者家族会です。
いつも会の運営へご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
今回は、株式会社明治 埼玉工場の見学報告及び、それを受けての会員研修参加申込み受付開始のご案内です。

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【株式会社明治 埼玉工場を見学しました】
9月26日、株式会社明治さまの埼玉工場を訪問し、ケトンフォーミュラ製造ラインの見学を行いました。
この工場見学は、当会がアステラス製薬株式会社さまから助成を受けた事業の一環として計画したもので、当会からは代表として会長・副会長・関東在住の会員2名が伺いました。
また、同じく難治性てんかんであるドラベ症候群患者家族会からも2名が参加されました。

 

今回見学した「ケトンフォーミュラ」は、難治性てんかんの治療法の1つである「ケトン食療法」に使われる粉ミルクです。
ケトン食療法では、高脂質、低糖質で、厳密にカロリーや栄養を計算した食事を毎食続けなければなりません。
多くの薬や手術をもってしても抑えられなかった発作が、ケトン食で軽減したという事例も多くありますが、食べられるものが限られる患者本人はもちろん、その調理をする家族にとっても負担の大きい治療法でもあります。
特に米、パンや麺など一般的な主食はほとんどがNGで、小麦粉や片栗粉も使えません。
ケトンフォーミュラは、一般の粉ミルクのようにお湯で溶かした液体を飲むだけでなく、小麦粉や片栗粉などの代用として、パンケーキやお好み焼きなどいろいろな料理にアレンジすることができます。
ミルクとして飲む乳児期のお子さんや、液体を注入する経管栄養の患者さんはもちろんのこと、経口でご飯を食べている患者さんご家族からも、ケトンフォーミュラがあるからこそケトン食を続けられているという声が多く聞かれます。

 

製造ラインでは、ホコリ1つも入ってしまうことの無いよう、とても衛生的に気をつけて、手作業で一缶一缶詰めていらっしゃる様子を拝見しました。
この丁寧な仕事のおかげで私たちの子供が助けられ、生活が支えられているのだと思うと、胸にこみ上げるものがありました。

 

今回、会員から集まった感謝の声と会の子どもたちの写真を、事前に会員サポートスタッフが色紙にまとめてくださり、明治さまに贈呈しました。
担当者さんは「とても励みになります」「社内の多くの人に読んでもらうようにします」「会社にも伝えます!」と仰っていました。
改めまして、写真やメッセージをお寄せくださった皆さん、ありがとうございました。

難治性てんかん治療用のケトンフォーミュラは、現状の特殊ミルク制度では「登録外特殊ミルク」とされ、その製造・流通にかかるコストは全額、明治さまの負担となっています。
先天性代謝異常症用の「登録特殊ミルク」としてのケトンフォーミュラに対しては一部国からの助成金が出ますが、現在「登録」分が年間1万缶に対し、「登録外」分は年間2万缶を製造出荷されているそうです。
とても大きなご負担を「社会貢献」の使命感のもとに担っていらっしゃることを今回改めて実感し、患者側も、少しでも無駄にすることなく、大事に大事に使うことを心がけなければいけないと心に刻みました。

 

また、難治性てんかん治療用のケトンフォーミュラも「登録特殊ミルク」とし、国からの助成を受けることで供給の安定をはかっていっていただけるよう、現在、小児神経学会、てんかん学会の先生方が厚労省への働きかけや使用ガイドラインの作成をして下さっています。
当会としてもこれまで安定供給のための働きかけをしてきましたが、従前以上に、できることは惜しまずにご協力していきたいと考えています。

 

今回申込みを開始する会員研修の中では、見学した内容について、さらに詳しいご報告をする予定です。

 

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【会員研修~ケトン食療法とケトンフォーミュラ供給問題(東京会場)参加申込み開始】

 

先立って会内部では告知しておりました「会員研修~ケトン食療法とケトンフォーミュラ供給問題」につきまして、11月開催の【東京会場】分の参加お申込みの受付を開始します。
《申込締切:10月15日(火)、参加費振込期限:10月21日(月)》
(同内容で2月開催の大阪会場分については、日程が近くなりましたら改めてお知らせいたします。)

 

研修は二部構成で行います。

 

第一部のテーマである「ケトン食療法」は、ウエスト症候群を含む難治性てんかんの治療法の一つで、糖分を厳密に制限し、脂肪分からエネルギーを得る際に発生する「ケトン体」に、発作を抑える作用を期待するものです。
日本においては「ケトンフォーミュラ」という特殊ミルクを使用して行う場合が多いのですが、このケトンフォーミュラの製造供給は一社の製造会社のほぼ全負担で行われています。
今回の研修では、日本でのケトン食療法の第一人者である静岡てんかん・神経医療センターの今井先生をお呼びし、ケトン食療法について、及びケトンフォーミュラの供給における問題についてご講演いただきます。

 

第二部は、実際に床の上でお子さんの体を触りながら、実践的なリハビリを学ぶワークショップ形式です。
お子さん連れでなくてもご参加いただけます。お子さん連れの場合、会場の床にクッション性はありませんので、参加者は各自敷き物をご持参ください。)
日頃の生活での体の悩み(呼吸や姿勢など)、自宅でのリハビリの相談等、小児リハビリの第一人者である金子先生から直接ご指導いただいたり、相談したりできる貴重な機会です。

 

第一部、第二部間のランチタイムでは、参加されている会員さん相互での交流ができる他、研修に先んじてケトンフォーミュラ工場を視察した内容のご報告も併せて行います。
当日は、ケトンフォーミュラ製造元の株式会社明治より、担当の小玉さまもいらっしゃる予定です。

 

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【開催概要】

日時:2019年11月9日(土曜日)11:00~14:40
参加費:一家族1500円(要事前振込)
会場:TIME SHARING四谷
〒160- 0004 東京都新宿区四谷3-9
第一光明堂ビル9F
https://akibaco-reuse.com/detail/10079
主催:ウエスト症候群患者家族会
(※本研修についてのお問い合わせは当会e-mail(info@westsyndrome-jp.net)までご連絡下さい)

 

【内容】
《第一部》11:00~12:10
「ケトン食療法とケトンフォーミュラ供給問題」
講師:国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 今井克美副院長

 

12:10~13:40
「ランチ交流、ケトンフォーミュラ製造工場視察報告会」

 

《第二部》13:40~14:40
「難治性てんかん児の在宅リハビリ~ワークショップ~」
講師:理学療法士 ボバース法公認インストラクター   金子断行先生

 

〈持ち物〉
筆記用具、昼食、下に敷くもの(お子さん連れの場合。ヨガマット、バスタオル、レジャーシート、ジョイントマットなどお子さんが寝転がれるもの)

 

【注意】本研修はウエスト症候群患者家族会およびドラベ症候群患者家族会の会員を対象とした研修会であり、外部の方の聴講などは受け付けておりません。ご了承ください。参加を希望される方は各家族会への加入後に当会までお問い合わせください。

 

多数のご参加をお待ちしております。

 

ウエスト症候群患者家族会
info@westsyndrome-jp.net
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